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口頭

イオンビーム照射PVDF膜のエッチング挙動

越川 博; 八巻 徹也; 高橋 周一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成

no journal, , 

燃料電池用高分子電解質膜への応用を目的として、フッ素系高分子のポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜にイオン穿孔を形成させ、その穿孔内にスルホン酸基を有するグラフトの導入を検討している。今回はイオン種及びエッチング前の熱処理によるエッチング速度への効果を検討した。高崎量子応用研究所のAVFサイクロトロンによりPVDF膜(25$$mu$$m)に450MeVのXeイオンを照射し、その後大気中、30日間120$$^{circ}$$Cで加熱した。25$$^{circ}$$Cでも同様に保管した。膜をセルで挟み、80$$^{circ}$$C,9M KOH水溶液をエッチング液として24時間電気伝導率を測定しながらエッチングした。貫通時間から算出した潜在飛跡エッチング速度Vtは、120$$^{circ}$$Cで6.6$$mu$$m/hで25$$^{circ}$$Cの4倍高い値となり、大気中加熱による前処理で潜在飛跡のエッチングを大きく促進させることがわかった。また、KrやNi等のイオン種を変えて同様に比較した場合、イオン種のLETが高いものほどVtが高くなる傾向が明らかになった。

口頭

陽子線照射によって劣化した宇宙用三接合太陽電池のモデリング

佐藤 真一郎; 大島 武; 宮本 晴基; 河野 勝泰*; 今泉 充*; 島崎 一紀*; 森岡 千晴*

no journal, , 

近年、高い変換効率と優れた耐放射線性を併せ持つInGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池が宇宙用として用いられ始めているが、本研究では三接合太陽電池の放射線劣化モデリング構築を行った。30keV, 150keV, 3MeV, 10MeVの陽子線照射によって劣化した三接合太陽電池の量子効率をフィッティングし、その結果から得られる短絡電流及び開放電圧を実験値と比較し、劣化曲線を再現した。また、InGaP, GaAs, Ge単接合セルの和という形でシミュレーションを行い、各層(InGaP, GaAs, Ge)において少数キャリアの拡散長の変化から損傷係数$$K_L$$,ベース層のキャリア濃度減少からキャリア枯渇係数$$R_C$$を求めた。その結果、文献値と比較しても妥当な値の損傷係数とキャリア除去係数を求められたことから、本手法によってサブセルごとの詳細な劣化情報を取得できることが判明した。

口頭

宇宙用InP系太陽電池の電気特性劣化に与えるプロトン照射温度の影響

宮本 晴基; 佐藤 真一郎; 大島 武; 今泉 充*; 森岡 千晴*; 河野 勝泰*

no journal, , 

現在、人工衛星等で使用する宇宙用太陽電池がさらされる環境はさまざまであり、低温から高温までの広い範囲が想定される。そこで、InGaP及びSi太陽電池に対して、室温及び低温環境下(130, 160K)で10MeVプロトンを1$$times$$10$$^{13}$$/cm$$^{2}$$まで照射し、AM0光照射下で電流電圧(I-V)特性を測定した。また、プロトン照射前後における電気特性の温度依存性を調べるために、降温、昇温時のI-V測定も併せて行った。その結果、Siに比べてInGaPは高い耐放射線性を有し、1$$times$$10$$^{13}$$/cm$$^{2}$$程度の照射量ではほとんど劣化を示さなかった。さらに、Si太陽電池では室温照射に比べて低温照射の場合に、Vocが高い保存率を、Iscは低い保存率を示したことから、特性劣化の保存率に照射温度の影響があることがわかった。1次元光デバイスシミュレータ(PC1D)を用い、少数キャリアの拡散長のみをパラメータとしてプロトン照射の劣化を模擬したところ、照射前後における温度依存性の変化を再現でき、低温照射においても少数キャリア拡散長が劣化の重要因子であると結論できた。

口頭

放射線グラフト重合法で合成した陰イオン交換短繊維の高速通液条件下での硝酸イオン吸着挙動

郷 康弘*; 松浦 博孝*; 城 昭典*; 片貝 秋雄; 玉田 正男

no journal, , 

クロロメチルスチレンをグラフトしたポリオレフィン繊維にジメチルアミノエタノールを導入して強塩基性陰イオン交換繊維(FCSA、陰イオン交換容量2.3mmol/g)を合成し、その硝酸イオンの高速除去に関する検討をカラム法で行った。カラムに1M塩酸を通液後、カラムを水洗して硝酸ナトリウムの1mM水溶液を通液し、硝酸イオンの吸着を行い、溶離は1M塩酸で行った。流出液のイオン組成はイオンクロマトグラフ法で求めた。空間速度(SV)646$$sim$$3260h$$^{-1}$$の範囲で通液して、硝酸イオンの破過曲線の速度依存性を検討した。硝酸イオンに対する破過容量は、カラムからの流出液中の硝酸イオン濃度(C)とカラムへの供給液中の硝酸イオン濃度(Co)の比(C/Co)が0.05となる5%破過点までに吸着された硝酸イオンのmmol/g(5%破過容量)として定義した。5%破過容量は、SV 646h$$^{-1}$$で1.5mmol/gであったが、通液速度の増加とともに緩慢に減少したものの、SV 3260h$$^{-1}$$の高速通液条件においても1.1mmol/gと、FCSAは迅速に硝酸イオンを吸着することがわかった。次に、天然水中の主要陰イオンである塩化物イオンと硫酸イオンの硝酸イオン吸着に及ぼす影響について検討した。硝酸イオンの5%破過点は共存陰イオンが存在しない場合、500mL程度であるが当量の塩化物イオン共存下では約250mLにまで減少した。共存陰イオンの妨害効果は硫酸イオンの方が大きかった。

口頭

放射線照射法を用いた排水中の内分泌かく乱化学物質の処理

木村 敦; 田口 光正; 大谷 仁巳*; 広田 耕一

no journal, , 

人及び家畜のし尿や工業排水の影響により、河川や湖沼には、極低濃度にもかかわらず水生生物のホルモン作用に影響を与える物質(内分泌かく乱化学物質:EDCs)の存在が報告されている。特に、天然由来の女性ホルモン(17$$beta$$-エストラジオール:E2)や、人工化学物質であるp-ノニルフェノールは、水生動物に対し悪影響を与えるため問題視されている。現在、下水処理場では、微生物による酸化分解を利用した活性汚泥処理法によって有害物質を除去しているが、この方法では難分解性であるEDCsの無害化には至っていない。放射線照射法は、排水の濁度の影響を受けないことや化学薬品を使用しないなどの特長を有するため、EDCsの処理に有用である。本研究では、河川よりEDCsを含む実排水を採取しその分解処理特性を明らかにするとともに、放射線照射EDCs処理法のコストを試算した。

口頭

量子ビームによる異方導電性を持つ電解質膜の開発

木村 祥亮*; 片貝 良一*; 浅野 雅春; Chen, J.; 前川 康成; 吉田 勝

no journal, , 

膜厚方向にのみ選択的にプロトン伝導経路を持つ電解質膜を作製することを目的とし、膜厚25$$mu$$mのETFE膜に450MeV $$^{129}$$Xe$$^{23+}$$を照射した後、(1)ETFE膜に生成したラジカルをクエンチ,(2)アルゴン雰囲気下、1kGy前照射の後、iPrOH/H$$_{2}$$O=4:2(v/v)を溶媒とし、スチレン(St)/5v%ジビニルベンゼン(DVB)を後グラフト重合,(3)0.2Mクロロスルホン酸/1,2-ジクロロエタン溶液中でスルホン化,(4)加水分解の手順により電解質膜を作製した。Xeイオン未照射のETFE電解質膜の膜厚方向のプロトン伝導度は、0.014S/cmであるが、3.0$$times$$10$$^{6}$$ions/cm$$^{2}$$照射した電解質膜では0.11S/cmになることがわかった。このことから、イオン照射により形成された飛跡領域に選択的にグラフト鎖が導入されたと推察した。

口頭

放射線による加硫ゴム表面の親水化とその応用

溝手 範人*; 片貝 秋雄; 玉田 正男

no journal, , 

自動車用ワイパーゴムは、払拭摩擦の低減や耐磨耗性の向上のためにハロゲン処理が行われているが、ゴム表面の柔軟性が低下し、降雨時のガラス追従不良による払拭性の低下が生じる。本研究では放射線グラフト重合法により加硫ゴム表面の親水化を行い、摩擦低減と払拭性の双方の向上が可能なワイパーゴム表面処理技術について検討した。2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のグラフト重合は、水を溶媒として用い、モノマー濃度30$$sim$$70wt%,照射線量10$$sim$$20kGyの範囲で電子線同時照射グラフト重合法によって行った。HEMAのグラフト率は照射線量の増加に伴い上昇し、モノマー濃度70wt%で1.8%に達した。HEMAをグラフトした加硫ゴム表面の接触角は、モノマー濃度70wt%,照射線量20kGyの条件で70$$^{circ}$$まで低下し、その時のグラフト率は1.8%であった。これらの結果からHEMAの電子線同時照射グラフト重合により加硫ゴム表面の親水化が可能であることがわかった。次にHEMAをグラフトした加硫ゴム表面の摩擦係数のグラフト率依存性を検討したところ、グラフト率の増加に伴い摩擦係数は低下し、その値はハロゲン処理を下回ることが確認できた。また、ウェット状態でゴム表面が軟化することにより、ワイパー雨滴払拭時のガラス追従性向上による高い払拭性が得られ、HEMAのグラフトによる親水化処理は、従来にない摩擦低減と払拭性の双方を向上するワイパーゴム表面処理技術として有望であることがわかった。

口頭

放射線プロセスにおける大線量計測の現状

清藤 一; 小嶋 拓治; 金子 広久; 羽田 徳之; 春山 保幸; 金沢 孝夫

no journal, , 

平成19年度から標準供給の従来の線量(率)範囲の上限が3桁(2桁)引き上げられた。これにより放射線プロセスに必要な数十Gy以上の線量域についても標準供給の道が拓かれ、線量の国家標準への遡及性を保証するトレーサビリティ制度の基盤が確立した。これまでに原子力機構高崎量子応用研究所では大線量校正用照射場を構築し、国家標準との異なる線量率間における整合性評価及び国際標準との大線量相互比較を行い、十分標準供給ができる技術能力があることを示した。これらの成果に基づいて今後は、早急に大線量域へのトレーサビリティシステムを整備し、標準供給が実施できるようになることが期待される。

口頭

電子ビームによる排ガス浄化技術開発の動向

箱田 照幸; 島田 明彦; 広田 耕一

no journal, , 

国際原子力機関(IAEA)において、2005年5月から3年間の予定で、CRP(Coordinated Research Meeting)「ガス流に含まれる有機汚染物質の電子ビーム処理(Electron beam treatment of organic pollutants contained in gaseous streams)」が実施されている。本発表では、このCRPの日本代表である原子力機構の技術開発について紹介するとともに、CRP参加各国の研究所でそれぞれ進められている研究や技術開発の動向を中心に紹介する。さらに、電子ビームを用いた石炭あるいは重油燃焼排ガス中のNOX/SO$$_{2}$$除去施設についても合わせて報告する。

口頭

イオンビーム誘発変異体の遺伝子解析から見える新しい植物機能

長谷 純宏

no journal, , 

花弁形態に関する変異体(${it frill1}$)及び紫外線耐性変異体(${it uvi4}$)の解析から明らかになった新たな植物機能について報告する。${it frill1}$は、花弁とガクの周縁がフリル状に変化する突然変異体である。この変異体では、花弁発達の後半において花弁先端部の細胞の配列が乱れ、異所的な核内倍加が起きていることがわかった。${it frill1}$変異体では、${it SMT2}$遺伝子に1塩基の欠失が生じており、異常なステロール成分比により通常では核内倍加が起こらない組織で核内倍加が起きたものと考えられた。一方、${it uvi4}$は、UV-B環境下で野生型に比べて生育が抑制されにくい変異体である。${it uvi4}$では、機能未知の塩基性タンパクをコードするAt2g42260遺伝子に123bpの欠失があることがわかった。各組織の倍数性を調査したところ、野生型よりも核内倍加が促進されており、細胞の倍数性が上昇することで紫外線耐性になっていることが示唆された。以上の結果から、核内倍加を抑制することがArabidopsisの花弁の形態形成に必要であり、一方、核内倍加を促進することは劣悪環境に耐えて効率よく組織を肥大化させる戦略であると考えられた。

口頭

超小型レーザー加速器、実用化に向けて

田島 俊樹

no journal, , 

加速器は20世紀に発明され、なかでも原子力研究に出自を持つ科学的測定器として最も強力で成功を収めた装置である。最近加速器は、素粒子や核物理の研究以外にも、物質科学や生命科学の研究へ、さらには医学利用にも使われるようになってきている。加速器は質量を持つ粒子をビーム(エネルギーの揃った粒子群)として作り出すことができる。加速器に対する期待が高まり要求もますます高くなってくると大型化する。しかしマイクロ波技術に基礎を持つ方法に手詰まりの状況が現れているように見える。この問題に何か解決の方法はないかと何年も考えてきている。私は高い強度のレーザーを用いることで技術革新を行え、従来の方式から3桁ほどのコンパクト化ができるのではないかと考えている。医療応用もそのうちの重要な課題である。

口頭

放射線グラフト材料を用いた有用金属の回収

瀬古 典明

no journal, , 

電子線と$$gamma$$線を利用した放射線加工の例として、放射線グラフト重合技術を用いて作製した水中溶存金属を回収可能な吸着材について紹介する。具体的には、海水ウラン捕集コストの現状と温泉水中の有価金属回収、さらには原子力機構内融合研究の一環である東濃地方の地下湧水中に含有されるフッ素ホウ素除去に関する応用例を紹介する。

口頭

放射線による炭化水素系電解質膜の開発

Chen, J.; 浅野 雅春; 吉田 勝; 前川 康成

no journal, , 

芳香族高分子電解質膜は、高温での機械的強度に優れ、メタノール,水素,酸素などの燃料透過性が低いことから、高温での使用が期待されている。その芳香族高分子電解質膜は、芳香族高分子をスルホン化溶液に溶解させることでスルホン化し、次いでキャスト法により製膜化することで作製する。あるいは、スルホン化したモノマーを直接重合し、次に製膜工程により電解質膜を作製する。このような電解質膜の作製は、多量な強酸,溶媒が必要である。しかも、得られた電解質膜は架橋構造を持たないため、水溶化や、吸水により大きな寸法変化を起こす。そこで、本研究では、放射線架橋したフィルムを直接スルホン化と2段階グラフト技術により、炭化水素系電解質膜を作製したので、その結果を報告する。

口頭

セルロース/デンプン誘導体ゲルの生分解性制御

廣木 章博; Pham, H. T. T.*; 長澤 尚胤; 玉田 正男

no journal, , 

天然多糖類の誘導体であるカルボキシメチルセルロース(CMC、置換度1.34)とカルボキシメチルデンプン(CMS、置換度0.12)を各比率でブレンドし、水とよく混練りし、40wt%のペースト状サンプルを調製した。ここで、CMC/CMSの比率は100/0, 75/25, 50/50, 25/75, 0/100の5種類とした。ペースト状試料に所定線量の$$gamma$$線照射を行いCMC/CMSブレンドゲルを得た。ブレンドゲルのゲル分率は、照射線量の増加に伴い増加し、わずか10kGyでほぼ一定となった。しかし、CMC/CMS(0/40)ゲルのゲル分率は、5kGyにピークを示した後、線量の増加に伴い緩やかに減少した。ゲルの膨潤度は、線量の増加に伴い減少し、800$$sim$$10の値を示した。膨潤度がほぼ同じ各組成のゲルを選択し、微生物酸化分解測定装置により土壌中での生分解性を調べた結果、ブレンドゲル中のCMS比が高いほど二酸化炭素の発生量が多くなることがわかった。したがって、ブレンド比及び線量を調節しブレンドゲルを作製することで、膨潤性を損なうことなくゲルの生分解性を制御することができた。

口頭

線虫の学習行動と放射線影響

坂下 哲哉; 鈴木 芳代; 浜田 信行*; 池田 大祐*; 簗瀬 澄乃*; 石井 直明*; 小林 泰彦

no journal, , 

神経系のモデル生物として知られる線虫(${it C. elegans}$)を用いて、化学走性学習に対する$$gamma$$線照射の影響を調べた。その結果、条件付けの最中に放射線を照射した場合にのみ、照射直後の化学走性が有意に付加的に低下することを発見した。また、放射線照射に対する応答が、${it gpc-1}$変異体において有意に抑制されることを見いだした。これらの結果は、線虫の化学走性学習に対する放射線照射の影響が、特定の感覚神経に局在するGPC-1を介して修飾的に働く可能性を示唆した。以上より、線虫の学習行動に対して放射線が特異的に作用する可能性が示唆された。

口頭

Synthesis of hydrogel from $$kappa$$-carrageenan derivative for radiation crosslinking

長澤 尚胤; Aranilla, C. T.*; Dela Rosa, A. M.*; 玉田 正男

no journal, , 

創傷被覆材へ応用するために放射線分解型の$$kappa$$-カラギーナン(KC)を放射線橋かけさせる目的で、カルボキシメチル$$kappa$$-カラギーナン(CMKC)を合成した。アルカリ存在下でモノクロロ酢酸を付加させたCMKC中のCM基の置換度は1.2-1.44であり、FTIR測定からCM基の-COO$$^{-}$$と-CH$$_{2}$$-に由来するピークを確認した。CMKCのCM基はC$$^{13}$$NMR測定からガラクトース(G), 3,6アンヒドロガラクトース(AG)にある3つのOH基がC2(G):C6(G):C2(AG)=2.5:1.5:1の割合で置換していることを確認した。得られたCMKCを用いて10-40%濃度のペーストで5-100kGy $$gamma$$線照射した結果、CMKCの濃度が30%以上になると橋かけし、線量の増加とともにゲル分率が最大で60%まで増加した。また、蒸留水及び0.9%生理食塩水に対するゲルの膨潤度は、ゲル分率の増加に伴い減少した。濃度,線量を変えることで、CMKCゲルのゲル分率及び膨潤度を調節できるが、ゲル分率が50%に達し、かつ0.9%生理食塩水の膨潤率が20倍程度の30%濃度で50kGy照射したCMKCゲルが創傷被覆材として使用できる見通しを得た。

口頭

植物由来弾性ゲルの創製とその応用

長澤 尚胤; 瀧上 眞知子*; 天田 春代*; 廣木 章博; 笠井 昇; 八木 敏明*; 吉井 文男; 玉田 正男

no journal, , 

ペースト状のカルボキシメチルセルロース(CMC)に放射線照射による橋かけ技術と酸への浸漬処理を組合せることにより、弾力性を付与したCMCゲルを作製できることを見いだした。20%濃度のCMCペーストに$$gamma$$線を10kGy照射して得られたゲルを、1Mの塩酸に4日間浸漬することにより、強度が約150倍も高くなる。また、酸の種類や濃度を変化させることにより、0.1から5MPaの強度を有する弾性ゲルを作製できることから、医療診断補助材や人体模型等の医用材料などのさまざまな用途に応用可能である。

口頭

重粒子線照射により誘導されるヒト正常線維芽細胞の分化

楚良 桜; 浜田 信行*; 片岡 啓子*; 小林 泰彦; 坂下 哲哉; 舟山 知夫

no journal, , 

低LET放射線に比べて、重粒子線は線量分布の集中性に優れており、殺細胞効果も高いことが知られている。われわれは、放射線により誘発される遅延的細胞増殖死にLET依存性があること、そして、放射線照射子孫細胞への形態学的分化の誘導にLET依存性があることをこれまでに明らかにしてきた。そこで、本研究では、放射線が直接照射された細胞における形態学的分化の誘導と、照射された線量や線質との関係について明らかにすることを目的とし、$$^{60}$$Co $$gamma$$線(LET=0.2keV/$$mu$$m)、又は炭素線(18.3MeV/nucleon, 108keV/$$mu$$m)を照射したヒト正常線維芽細胞における形態学的分化の誘導を解析した。その結果、照射細胞において、分化は線量依存的に誘導され、照射3日後と5日後での分化の誘導に対する$$gamma$$線を基準とした炭素線の生物学的効果比が、約4であることがわかった。

口頭

Bcl-2阻害剤の重粒子線増感効果の検討

片岡 啓子*; 浜田 信行*; 楚良 桜; 小林 泰彦; 坂下 哲哉; 舟山 知夫

no journal, , 

がん遺伝子であるBcl-2を高発現するがん細胞は低LET放射線に対して抵抗性を示すが、その放射線抵抗性は、Bcl-2阻害剤であるHA14-1の併用により低下する。このことから、HA14-1の放射線増感剤としての利用が期待されている。そこで、Bcl-2を高発現するがん細胞に対するHA14-1の重粒子線増感効果の有無を検討した。ヒト子宮頸部がん由来の細胞株HeLaに薬剤耐性遺伝子のみを導入したHeLa/neo細胞と比べ、Bcl-2遺伝子を過剰発現したHeLa/bcl-2細胞はコバルト60の$$gamma$$線に対して抵抗性を示した。しかし、単独では生存率にほとんど影響がない濃度のHA14-1で照射前に1時間処理したHeLa/bcl-2細胞の生存率は、HA14-1で処理していないHeLa/neo細胞の生存率とほぼ一致し、HeLa/bcl-2細胞の$$gamma$$線に対する抵抗性がHA14-1処理で消失することがわかった。一方、LET=108keV/$$mu$$mの炭素線照射では、HA14-1処理を行わなくても両細胞の生存率に差が見られなかったが、HA14-1を照射前に1時間処理することで、両細胞の放射線感受性がさらに増強され、この増感効果はHeLa/bcl-2細胞よりもHeLa/neo細胞により強い増感効果があるとの予備的結果が得られた。この結果は、HA14-1がBcl-2の発現量の低いがん細胞に対して、重粒子線感受性を増強する可能性を示唆している。

口頭

植物研究用$$^{64}$$Cuの製造と植物内${it in vivo}$イメージングへの応用

渡邉 茂樹; 石岡 典子; 鈴井 伸郎; 河地 有木; 石井 里美; 松橋 信平; 片渕 竜也*

no journal, , 

半減期12.7時間のポジトロン放出核種である$$^{64}$$Cuは半減期12.7時間の放射性核種で壊変形式が多様であることから、PET診断やガン治療など医学分野において広く利用されている核種の一つである。これまでわれわれは、医学分野での利用を目的とした$$^{64}$$Cuの新規製造方法を決定し、定常製造を可能にしてきた。一方で、銅は植物において呼吸や光合成過程などに関与する必須元素の一つであり、その役割の多くは明らかになっているものの「生きた」植物における動態を可視化した報告はほとんどない。そこで、われわれが開発した$$^{64}$$Cuの新規製造法と、$$^{64}$$Cuをトレーサーとしたポジトロンイメージング装置PETISを用いた銅の移行の可視化を行った。$$^{64}$$Cuの製造は$$^{64}$$Ni(p, n)$$^{64}$$Cu反応により行い、イオン交換法を用いて$$^{64}$$Cuの分離・精製を行った。得られた$$^{64}$$Cuを播種後約25日のダイズへ供与し、PETISにより非侵襲的に3日間測定を行った。その結果、330 MBqの$$^{64}$$Cuが生成し、回収率89%で270MBqの$$^{64}$$Cuを放射核種純度は99%以上でターゲットから回収した。PETISによる植物体への$$^{64}$$Cu吸収実験では、時間が経過するにつれて$$^{64}$$Cuが根から茎を経て移行し、36時間後には先端の葉に到達して集積する様子を可視化することに成功した。この結果は$$^{64}$$Cuが医学利用だけでなく、PETISを用いることで植物生理学研究においても有用なトレーサーであることを示す結果である。

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